10.2.2. レイヤごとのテスト実装

レイヤごとの単体テスト対象クラス、テスト方法およびその概要の一覧を以下に示す。

なお、本章で提示するテスト方法および実装はあくまで一例であり、実際はテスト方針に合わせたテスト方法および実装を検討いただきたい。

レイヤ テスト方法 概要
インフラストラクチャ層 Spring Test標準機能のみを利用したテスト Spring Testの標準的な機能を使用してデータアクセスのテストを行う。
インフラストラクチャ層 Spring Test DBUnitを利用したテスト DBUnitとSpring Test DBUnitの機能を使用してデータアクセスのテストを行う。
ドメイン層 依存クラスを利用したテスト Spring TestのDI機能を使用してServiceをインジェクションし、インフラストラクチャ層と結合しServiceのテストを行う。
ドメイン層 モックを利用したテスト Mockitoを使用して依存するクラスをモック化しServiceのテストを行う。
アプリケーション層 StandaloneSetupを利用したテスト Spring TestのDI機能を使用してControllerをインジェクションし、ドメイン層、インフラストラクチャ層と結合した状態でControllerのテストを行う。
アプリケーション層 WebAppContextSetupを利用したテスト Spring TestのMockMvcを使用して業務で作成したspring-mvc.xmlapplicationContext.xmlを適用し、Controllerのテストを行う。
アプリケーション層 モックを利用したテスト Mockitoを使用して依存するクラスをモック化しControllerのテストを行う。
アプリケーション層 Helperの単体テスト Helperのテストを行う。テスト方法の詳細はServiceのテスト方法を参照。

10.2.2.1. インフラストラクチャ層の単体テスト

本節では、開発ガイドラインのインフラストラクチャ層の単体テストについて説明する。

../../_images/ImplementsOfTestByLayerLayerOfTestTargetRepository.png

インフラストラクチャ層では、RepositoryからMyBatis(O/R Mapper)を利用したデータアクセスのテストを行う。 MyBatis3の使用方法の詳細については、MyBatis3を使ってRepositoryを実装を参照されたい。

MyBatisにより自動生成されるRepositoryImplはSpringのDIコンテナ上で実行されるため、テストには、 本番同様のBean定義と、SpringのDI機能を提供するSpring TestのSpringJUnit4ClassRunnerを使用する。 Spring Testの詳細はSpring Testを参照されたい。

テスト実行後のデータ検証方法には以下の2通りある。 どちらを使用するかは別途業務要件に合わせて検討いただきたい。

  • テスト実行後のデータベースの状態をSELECT文を使用して取得し検証する。
  • DBUnitとSpring Test DBUnitを使用して検証する。

本節では、SELECT文を使用した検証方法としてJdbcTemplateを使用した場合を例に説明する。 JdbcTemplateとはSpring JDBCサポートのコアクラスである。JDBC APIではデータソースからコネクションの取得、 PreparedStatementの作成、ResultSetの解析、コネクションの解放などを行う必要があるが、 JdbcTemplateを使用することでこれらの処理の多くが隠蔽され、より簡単にデータアクセスを行うことができる。

Note

アプリケーションのレイヤ化では、Repositoryインターフェイスはドメイン層の成果物であるが、 インフラストラクチャ層の単体テスト対象として紹介している。Serviceとのインターフェイスが正しいことは、 ドメイン層の単体テストでも確認することを推奨する。


10.2.2.1.1. Repositoryの単体テスト

本節では、以下のRepositoryの単体テスト実装方法を説明する。

テスト方法 説明
Spring Test標準機能のみを利用したテスト JdbcTemplateを使用してテスト結果の検証を行う。
Spring Test DBUnitを利用したテスト DBUnit、Spring Test DBUnitの機能を使用してテスト結果の検証を行う。

ここでは、以下の成果物に対するテストを例に説明する。 なお、Repositoryの実装の詳細は、MyBatis3を使ってRepositoryを実装を参照されたい。

  • Repositoryインタフェース(MemberRepository)の更新処理(updateMemberLoginメソッド)
  • マッピングファイル(MemberRepository.xml

以下に、テスト対象の実装例を示す。

  • MemberRepository.java
public interface MemberRepository {

    int updateMemberLogin(Member member);
}
  • MemberRepository.xml
<mapper namespace="com.example.domain.repository.member.MemberRepository">

  <update id="updateMemberLogin" parameterType="Member">
    UPDATE member_login SET
        last_password = password,
        password = #{memberLogin.password}
    WHERE
        customer_no = #{membershipNumber}
  </update>

</mapper>

10.2.2.1.1.1. Spring Test標準機能のみを利用したテスト

Spring Testを使用したRepositoryの単体テストにおいて、作成するファイルを以下に示す。 なお、データベースのセットアップ方法についてはスキーマとテストデータのセットアップ(Spring Test標準機能のみを利用したテストの場合) を参照されたい。 また、Spring Testを使用して単体テストを行う際に使用する設定ファイルはテスト実装例で使用する設定ファイルを参照されたい。

../../_images/ImplementsOfTestByLayerRepositorySpringTestItems.png
作成するファイル名 説明
MemberRepositoryTest.java MemberRepository.javaのテストクラス。
test-context.xml Spring Testを使用して単体テストを行う際に必要な設定を補うための設定ファイル。
setupMemberLogin.sql 単体テストで利用するデータベースのデータをセットアップするためのSQLファイル。

Note

単体テストで利用するSQLファイルの作成単位

ここでは、1テストメソッドに1つのSQLを作成している。実際の作成単位については、テスト方針や内容に応じて 適宜検討されたい。 なお、@SqlにSQLファイルパスを省略した場合、@Sqlの指定場所に基づいてSQLファイルの検索が行われる。 詳細は、@SqlのSQLファイルパスの省略を参照されたい。


Spring Testを使用する場合のRepositoryのテストクラス作成方法を説明する。

以下に、データアクセスを利用してテストするために使用する設定ファイルを示す。

  • sample-infra.xml
<import resource="classpath:/META-INF/spring/sample-env.xml" />

<!-- define the SqlSessionFactory -->
<bean id="sqlSessionFactory" class="org.mybatis.spring.SqlSessionFactoryBean">
    <property name="dataSource" ref="dataSource" />
    <property name="configLocation" value="classpath:/META-INF/mybatis/mybatis-config.xml" />
</bean>

<!-- scan for Mappers -->
<mybatis:scan base-package="com.example.domain.repository" />
  • sample-env.xml
  <bean id="dataSource" class="org.apache.commons.dbcp2.BasicDataSource" destroy-method="close">
    <property name="driverClassName" value="org.postgresql.Driver" />
    <property name="url" value="jdbc:postgresql://localhost:5432/sample" />
    <property name="username" value="sample" />
    <property name="password" value="xxxx" />
    <property name="defaultAutoCommit" value="false" />
    <property name="maxTotal" value="96" />
    <property name="maxIdle" value="16" />
    <property name="minIdle" value="0" />
    <property name="maxWaitMillis" value="60000" />
  </bean>

  <bean id="transactionManager" class="org.springframework.jdbc.datasource.DataSourceTransactionManager">
    <property name="dataSource" ref="dataSource" />
  </bean>

<bean id="dateFactory" class="org.terasoluna.gfw.common.date.jodatime.DefaultJodaTimeDateFactory" />

以下に、Spring Testを使用したRepositoryのテスト作成方法について説明する。 ここでは、テスト用のスキーマは作成済みであることを前提に、@Sqlアノテーションを使用してMemberLoginテーブル をセットアップし、MemberLoginのパスワード「ABCDE」が新しいパスワード「FGHIJ」に更新されることを更新後の MemberLoginテーブルを取得して確認している。

  • MemberRepositoryTest.java
import static org.hamcrest.CoreMatchers.*;
import static org.junit.Assert.*;

@RunWith(SpringJUnit4ClassRunner.class)
@ContextConfiguration(locations = {
        "classpath:META-INF/spring/sample-infra.xml",   //(1)
        "classpath:META-INF/spring/test-context.xml" }) //(1)
@Transactional // (2)
public class MemberRepositoryTest {

    @Inject
    MemberRepository target; // (3)

    @Inject
    JdbcTemplate jdbctemplate; // (4)

    @Test
    @Sql(scripts = "classpath:META-INF/sql/setupMemberLogin.sql", config = @SqlConfig(encoding = "utf-8"))
    public void testUpdateMemberLogin() {

        // (5)
        // setup test data
        MemberLogin memberLogin = new MemberLogin();
        memberLogin.setPassword("FGHIJ");
        Member member = new Member();
        member.setMembershipNumber("0000000001");
        member.setMemberLogin(memberLogin);

        // (6)
        // run the test
        int updateCounts = target.updateMemberLogin(member);

        // (7)
        MemberLogin updateMemberLogin = getMemberLogin("0000000001");

        // (8)
        // assertion
        assertThat(updateCounts, is(1));
        assertThat(updateMemberLogin.getPassword(), is("FGHIJ"));
        assertThat(updateMemberLogin.getLastPassword(), is("ABCDE"));
    }

    private Member getMemberLogin(String customerNo) {

        MemberLogin memberLogin = (MemberLogin) jdbctemplate.queryForObject(
                "SELECT * FROM member_login WHERE customer_no=?",
                new Object[] {customerNo },
                new RowMapper<MemberLogin>() {

                    public MemberLogin mapRow(ResultSet rs,
                                int rowNum) throws SQLException {

                            MemberLogin mapMemberLogin = new MemberLogin();

                            mapMemberLogin.setPassword(rs.getString(
                                    "password"));
                            mapMemberLogin.setLastPassword(rs.getString(
                                    "last_password"));
                            mapMemberLogin.setLoginDateTime(rs.getDate(
                                    "login_date_time"));
                            mapMemberLogin.setLoginFlg(rs.getBoolean(
                                    "login_flg"));

                            return mapMemberLogin;
                    }
                });

        return memberLogin;
    }
項番 説明
(1)
MemberRepositoryクラスを動作させるために必要なアプリケーションが保持するsample-infra.xmltest-context.xmlを読み込む。
(2)
@Transactionalアノテーションを付与すると、テスト実行開始から終了まで一トランザクションとなり、デフォルト ではテスト終了後にロールバックされる。クラスレベルでアノテーションを定義すると、全テストメソッドに対して @Transactionalアノテーションが有効になる。
(3)
テスト対象であるMemberRepositoryクラスをインジェクションする。
(4)
JdbcTemplateクラスをインジェクションする。
(5)
テスト対象メソッドを実行するためのテストデータを作成する。
(6)
テスト対象メソッドを実行する。
(7)
更新後のデータベースの情報を取得する。 org.springframework.jdbc.core.RowMapper<T>を使用することで、データベースから取得したResultSetを 特定のPOJOクラスにマッピングすることができる。
(8)
更新件数、更新結果を確認する。

Note

テスト時のトランザクションをロールバックさせない方法

@Transactionalアノテーションをテストケースに指定した場合、デフォルトでテストメソッド実行後にロールバック される。後続のテストでテストデータを使用するなどの目的でロールバックをさせたくない場合は、@Transactionalアノテーションに加えて@Rollback(false)アノテーションまたは@Commitアノテーションを指定することで、 テスト時のトランザクションをコミットすることができる。

Warning

Spring Framework 4.2 以降の@TransactionConfigurationについて

Spring Framework 4.2 以降、クラスレベルで@Rollbackまたは@Commitの設定が可能となった。 これに伴い@TransactionConfigurationが非推奨となった。但し、Spring Framework 4.2 より前のバージョンで クラスレベルでロールバックをする場合は@TransactionConfiguration(defaultRollback = true)を設定すること。


10.2.2.1.1.2. Spring Test DBUnitを利用したテスト

データアクセスにDBUnitを使用する場合のRepositoryの単体テスト実装方法について説明する。 なお、ここではDBUnitのデータ定義ファイルにExcel形式(.xlsx)のファイルを使用した場合を例に説明する。 データ定義ファイルとデータベースのセットアップ方法については、テストデータのセットアップ(Spring Test DBUnitを利用したテスト場合)を参照されたい。

また、DBUnitにSpring Test DBUnitの機能を組み合わせて使用するには、@TestExecutionListenersアノテーションを使って、 com.github.springtestdbunit.TransactionDbUnitTestExecutionListenerを登録する必要がある。 登録方法ついては、TestExecutionListenerの登録を参照されたい。

Warning

データ定義ファイルにExcel形式のファイルを使用する場合のApache POIについて

本フレームワークで利用しているDBUnitはApache POI 3.17に依存しており、4.xではDBUnitが利用するいくつかのメソッドが廃止されているため、Excel形式のデータ定義ファイルを読み込む際に実行時エラーとなることが確認されている。

共通ライブラリの提供するApache POIは4.xであるため、Excel形式のファイルを使用する場合は、3.17にダウングレードする必要がある。 なお、テスト対象のアプリケーションがExcelファイルのダウンロードに示すようにApache POIを利用している場合は、ダウングレードにより非互換が発生する可能性があることに留意されたい。

また、Apache POI 3.17では、CVE-2019-12415で報告されているXXEの脆弱性を含むため、使用はテスト用途のみに留め、本番では使用しないことを推奨する。

DBUnit 2.7.1においてApache POI 4.xに対応される予定であるが、Spring Test DBUnitが個人開発のライブラリで既に開発を停止していると見られることから、 正式に対応される見通しがついていないのが現状である。Spring Testの標準機能を利用することも併せて検討されたい。

DBUnitを利用したRepositoryの単体テストにおいて、作成するファイルを以下に示す。

../../_images/ImplementsOfTestByLayerRepositoryDbunitItems.png
作成するファイル名 説明
MemberRepositoryDbunitTest.java MemberRepository.javaのテストクラス(DBUnitと連携する場合)
XlsDataSetLoader.java Excel形式に対応するDataSetLoaderインタフェースの実装クラス。 実装方法については、テストデータのセットアップ(Spring Test DBUnitを利用したテスト場合)を参照されたい。
expected_testUpdateMemberLogin.xlsx テストの期待結果検証用ファイル
setup_MemberLogin.xlsx テストデータセットアップ用ファイル
test-context.xml Spring Testを使用して単体テストを行う際に使用する設定ファイル。Spring Test標準機能のみを利用したテストで 作成した設定ファイルと同じものを使用する。

Note

単体テストで利用するExcelファイルの作成単位

ここでは、1テストメソッドにデータセットアップ用のファイルと期待結果検証用のファイルをそれぞれ1つずつ作成している。 実際の作成単位については、テスト方針や内容に応じて適宜検討されたい。


DBUnitを使用する場合のRepositoryのテストクラス作成方法を説明する。

ここでは、テスト用のスキーマは作成済みであることを前提に、@DatabaseSetupアノテーションを使用して MemberLoginテーブルをセットアップし、MemberLoginのパスワード「ABCDE」が新しいパスワード「FGHIJ」 に更新されることを@ExpectedDatabaseアノテーションを使用して確認している。

以下に、Spring TestとDBUnitを使用したRepositoryのテスト作成方法を説明する。

  • MemberRepositoryDbunitTest.java
import static org.hamcrest.CoreMatchers.*;
import static org.junit.Assert.*;

@RunWith(SpringJUnit4ClassRunner.class)
@ContextConfiguration(locations = {
        "classpath:META-INF/spring/sample-infra.xml",   // (1)
        "classpath:META-INF/spring/test-context.xml" }) // (1)
@TestExecutionListeners({
        DirtiesContextBeforeModesTestExecutionListener.class,
        DependencyInjectionTestExecutionListener.class,
        DirtiesContextTestExecutionListener.class,
        TransactionDbUnitTestExecutionListener.class})
@Transactional
@DbUnitConfiguration(dataSetLoader = XlsDataSetLoader.class)
public class MemberRepositoryDbunitTest {

    @Inject
    MemberRepository target;

    @Test
    @DatabaseSetup("classpath:META-INF/dbunit/setup_MemberLogin.xlsx")
    @ExpectedDatabase( // (2)
            value = "classpath:META-INF/dbunit/expected_testUpdateMemberLogin.xlsx",
            assertionMode = DatabaseAssertionMode.NON_STRICT_UNORDERED)
    public void testUpdate() {

        // setup
        MemberLogin memberLogin = new MemberLogin();
        memberLogin.setPassword("FGHIJ");
        Member member = new Member();
        member.setMembershipNumber("0000000001");
        member.setMemberLogin(memberLogin);

        // run the test
        int updateCounts = target.updateMemberLogin(member);

        // assertion
        assertThat(updateCounts, is(1));
    }
}
項番 説明
(1)
MemberRepositoryクラスを動作させるために必要な設定ファイル(アプリケーションが保持する sample-infra.xmlとそれを補うtest-context.xml)を読み込む。
(2)
@ExpectedDatabaseアノテーションにテストの期待結果検証用ファイルを指定することでテストメソッド 実行後にDBUnitによってテーブルと期待結果データファイルが自動で比較検証される。
@DatabaseSetupアノテーション同様に、クラスレベルとメソッドレベルで付与できる。
ファイルフォーマットはテストセットアップ用データファイルと同じである。assertionMode属性には、 以下の値が設定可能である。
  • DEFAULT(または指定なし):全てのテーブルとカラムの一致を比較する。
  • NON_STRICT:期待結果データファイルに存在しないテーブル、カラムが実際のデータベースに存在しても無視する。
  • NON_STRICT_UNORDEREDNON_STRICTモードに加え、行の順序についても無視する。

Warning

外部キー制約のあるテーブル

外部キー制約のあるテーブルに対し、DBUnitを用いてデータベースを初期化すると、参照条件によってはエラーが発生するため、 参照整合性を保つようにデータセットの順序を指定する必要があることに注意されたい。

Note

シーケンスの検証方法

シーケンスは、トランザクションをロールバックしても進んだ値は戻らないという特徴を持つ。 そのため、シーケンスから採番したカラムを持つレコードをDBUnitで検証する場合、以下のいずれかの対応を行う必要がある。

  • シーケンスから採番したカラムは検証対象外とする
  • 明示的にシーケンスの初期化を行うSQLを実行し、テストの実施前に初期化する
  • テスト実行時にシーケンスの値を確認し、確認した値を基準値として検証を行う

10.2.2.2. ドメイン層の単体テスト

本節では、開発ガイドラインのドメイン層の単体テストについて説明する。

../../_images/ImplementsOfTestByLayerLayerOfTestTargetDomain.png

ドメイン層では、Serviceの業務ロジックと@Transactionalのテストを行う。 Serviceをインジェクションし、インフラストラクチャ層を結合してテストを行う場合は、Repositoryの テスト実装方法と同様にBean定義と、Spring TestのSpringJUnit4ClassRunnerを使用してテストを行う。 Spring Testの詳細はSpring Testを参照されたい。


10.2.2.2.1. Serviceの単体テスト

本節では、以下のServiceのテスト実装方法を説明する。

テスト方法 説明
依存クラスを利用したテスト Serviceをインジェクションし、インフラストラクチャ層と結合してテストを行う。
モックを利用したテスト Serviceの実装クラスが依存するクラスをすべてモック化してテストを行う。

ここでは、以下の成果物に対するテストを例に説明する。 なお、Serviceの実装の詳細は、Serviceの実装を参照されたい。

  • Serviceの実装クラス(TicketReserveServiceImpl

以下に、テスト対象の実装例を示す。

  • TicketReserveServiceImpl.java
@Service
@Transactional
public class TicketReserveServiceImpl implements TicketReserveService {

    @Inject
    ReservationRepository reservationRepository;

    @Override
    public TicketReserveDto registerReservation(Reservation reservation)
            throws BusinessException {

        List<ReserveFlight> reserveFlightList = reservation.getReserveFlightList();

        // repository access
        int reservationInsertCount = reservationRepository.insert(reservation);
        if (reservationInsertCount != 1) {
            throw new SystemException(LogMessages.E_AR_A0_L9002.getCode(),
                    LogMessages.E_AR_A0_L9002.getMessage(reservationInsertCount, 1));
        }

        String reserveNo = reservation.getReserveNo();

        Date paymentDate = reserveFlightList.get(0).getFlight().getDepartureDate();

        return new TicketReserveDto(reserveNo, paymentDate);
    }
}

以下に、テスト対象が使用するマッピングファイルを示す。

  • ReservationRepository.xml
<mapper namespace="com.example.domain.repository.reservation.ReservationRepository">

  <insert id="insert" parameterType="Reservation">
    <selectKey keyProperty="reserveNo" resultType="String" order="BEFORE">
      SELECT TO_CHAR(NEXTVAL('sq_reservation_1'), 'FM0999999999')
    </selectKey>
    INSERT INTO reservation
    (
        reserve_no,
        reserve_date,
        total_fare,
        rep_family_name,
        rep_given_name,
        rep_age,
        rep_gender,
        rep_tel,
        rep_mail,
        rep_customer_no
    )
    VALUES
    (
        #{reserveNo},
        #{reserveDate},
        #{totalFare},
        #{repFamilyName},
        #{repGivenName},
        #{repAge},
        #{repGender.code},
        #{repTel},
        #{repMail},
        NULLIF(#{repMember.membershipNumber}, '')
    )
  </insert>

10.2.2.2.1.1. 依存クラスを利用したテスト

Serviceをインジェクションし、インフラストラクチャ層を結合して行う。Serviceのテストにおいて、 作成するファイルを以下に示す。

../../_images/ImplementsOfTestByLayerServiceSpringTestItems.png
作成するファイル名 説明
TicketReserveServiceImplTest.java TicketReserveServiceImpl.javaのテストクラス
test-context.xml テスト実装例で使用する設定ファイルで定義した設定ファイルを使用する。

テスト対象のServiceの実装クラスをインジェクションしてインフラストラクチャ層と結合してテストを行う場合のテスト作成方法を説明する。

以下に、テスト時に読み込む設定ファイルを示す。

  • sample-domain.xml
<context:component-scan base-package="com.example.domain" />
<tx:annotation-driven />

<import resource="classpath:META-INF/spring/sample-infra.xml" />
<import resource="classpath:META-INF/spring/sample-codelist.xml" />

<bean id="resultMessagesLoggingInterceptor"
      class="org.terasoluna.gfw.common.exception.ResultMessagesLoggingInterceptor">
  <property name="exceptionLogger" ref="exceptionLogger" />
</bean>

<aop:config>
  <aop:advisor advice-ref="resultMessagesLoggingInterceptor"
    pointcut="@within(org.springframework.stereotype.Service)" />
</aop:config>

以下に、テスト実装例を示す。 テスト対象のTicketReserveServiceImpl#registerReservation()メソッドを実行し、戻り値を確認している。 なお、データベースの状態の検証方法はRepositoryの単体テストを参照されたい。

  • TicketReserveServiceImplTest.java
import static org.hamcrest.CoreMatchers.*;
import static org.junit.Assert.*;

@RunWith(SpringJUnit4ClassRunner.class)
@ContextConfiguration(locations = {
        "classpath:META-INF/spring/sample-domain.xml", // (1)
        "classpath:META-INF/spring/test-context.xml"}) // (1)
@Transactional
public class TicketReserveServiceImplTest {

    @Inject
    TicketReserveService target;

    @Inject
    private JdbcTemplate jdbcTemplate;

    @Test
    @Sql(statements = "ALTER SEQUENCE sq_reservation_1 RESTART WITH 1") // (2)
    public void testRegisterReservation() {

        // setup
        Reservation inputReservation = new Reservation();
        inputReservation.setTotalFare(39200);
        inputReservation.setReserveNo("0000000001");
        // omitted

        // run the test
        TicketReserveDto actTicketReserveDto = target.registerReservation(
                reservation);

        // assertion
        assertThat(actTicketReserveDto.getReserveNo(), is("0000000001"));
        // omitted
    }
}
項番 説明
(1)
TicketReserveServiceImplクラスを動作させるために必要な設定ファイル(アプリケーションが保持する sample-domain.xmlとそれを補うtest-domain.xml)を読み込む。
(2)
@Sqlstatements属性を使用することでSQL文を直接指定することもできる。 ここではテストメソッド実行前にシーケンスの初期化を行っている。

Warning

テスト時のトランザクション管理

テストケースに@Transactionalアノテーションを付与すると、テスト実行開始から終了まで一トランザクションとなる。 そのため、テストケースから@Transactionalアノテーションを付与したServiceクラスを呼び出した場合、 テストケースからトランザクションが引き継がれる点に注意すること。 例えば、トランザクションの伝播方法がデフォルト(REQUIRED)の場合、テストケースで開始した トランザクションでテスト対象の処理が行われ、コミット/ロールバックのタイミングもテスト終了時になる。 トランザクションの伝播方法については「宣言型トランザクション管理」で必要となる情報を参照されたい。

10.2.2.2.1.2. モックを利用したテスト

Serviceの依存クラスをすべてモック化して行うServiceの単体テストにおいて、作成するファイルを以下に示す。

../../_images/ImplementsOfTestByLayerServiceMockItems.png
作成するファイル名 説明
TicketReserveServiceImplMockTest.java TicketReserveServiceImpl.javaのテストクラス(モックを使用する場合)

テスト対象のServiceの実装クラスが依存するクラスをモック化する場合のテスト作成方法を説明する。 ここでは、ReservationRepository#insert()メソッドをモック化し、テスト対象の TicketReserveServiceImpl#registerReservation()メソッドでモック化したメソッドが呼び出されることとテスト対象の 戻り値を確認している。

  • TicketReserveServiceImplMockTest.java
import static org.hamcrest.CoreMatchers.*;
import static org.junit.Assert.*;
import static org.mockito.Mockito.*;

public class TicketReserveServiceImplMockTest {

    @Rule // (1)
    public MockitoRule mockito = MockitoJUnit.rule();

    @Mock // (2)
    ReservationRepository reservationRepository;

    @InjectMocks // (3)
    private TicketReserveServiceImpl target;

    @Test
    public void testRegisterReservation() {

        // setup
        Reservation inputReservation = new Reservation();
        inputReservation.setTotalFare(39200);
        inputReservation.setReserveNo("0000000001");
        // omitted

        when(reservationRepository.insert(inputReservation)).thenReturn(1); // (4)

        // run the test
        TicketReserveDto ticketReserveDto = target.registerReservation(inputReservation);

        // assertion
        verify(reservationRepository).insert(inputReservation); // (5)
        assertThat(ticketReserveDto.getReserveNo(), is("0000000001"));
        // omitted
    }
}
項番 説明
(1)
モックの初期化とインジェクションをアノテーションベースで行うための宣言。 詳細はモックの生成を参照されたい。
(2)
@Mockアノテーションを付与することで、TicketReserveServiceImplが依存している MemberRepositoryをモック化している。 詳細はモックの生成を参照されたい。
(3)
@InjectMocksアノテーションを付与することで、自動的にモックオブジェクトが代入される。 詳細はモックの生成を参照されたい。
(4)
ReservationRepositoryinsertメソッドについて、 引数がinputReservationの場合、返り値として”1” を返すように設定する。 メソッドのモック化については、メソッドのモック化を参照されたい。
(5)
ReservationRepositoryinsertメソッドについて、 引数にinputReservationが渡されて1回呼び出されたことを検証する。 モック化したメソッドの検証については、モック化したメソッドの検証を参照されたい。

10.2.2.3. アプリケーション層の単体テスト

10.2.2.3.1. アプリケーション層の単体テスト対象

本節では、開発ガイドラインのアプリケーション層の単体テストについて説明する。

../../_images/ImplementsOfTestByLayerLayerOfTestTargetApplication.png

アプリケーション層では、ControllerHelperのロジックを確認するためのテストを行う。 Controllerについては以下の項目を確認する。

  • @RequestMapping(リクエストパス、HTTPメソッド、リクエストパラメータ)
  • 返却されるVIEW名

Viewについては、本来アプリケーション層に含まれるが、本ガイドラインでは対象外とする。

Spring TestはControllerクラスをテストするためのサポートクラス(org.springframework.test.web.servlet.MockMvcなど)を用意している。 ControllerMockMVCを使用して疑似リクエストを送信してテストをするため、MockMVCを提供する Spring TestのSpringJUnit4ClassRunnerを使用する。 MockMvcControllerに疑似リクエストを送信する仕組みを持ち、デプロイしたアプリケーションを模したテストを 行うことができる。MockMVCの詳細はMockMvcとはを参照されたい。

Note

Formのバリデーションテスト

Formのテストは、本来Controllerと組み合わせて実際の動作に近い形で行う必要があるが、 Validationの全パターンをControllerと組み合わせるとテストの負担が大きくなる。 そのため、単純なValidationの確認であれば、Controllerと切り離して Form単体でValidationの確認を行うこともできる。テスト方法はテスト対象のFormを使用してBean Validationで実装したValidatorの単体テストを実施すればよい。


10.2.2.3.2. Controllerの単体テスト

ここでは、以下のControllerの単体テスト実装方法を説明する。

テスト方法 説明
StandaloneSetupを利用したテスト Spring Testが提供するデフォルトのコンテキストを使用し指定した設定ファイルを読み込むことでテストを行う。
WebAppContextSetupを利用したテスト 実際に使用するapplicationContext.xmlspring-mvc.xmlを使用してテストを行う。
モックを利用したテスト Controllerが依存するクラスをすべてモック化してテストを行う。

ここでは、以下の成果物に対するテストを例に説明する。Controllerの実装の詳細は、Controllerの実装を参照されたい。

  • Controllerクラス(TicketSearchController)
  • Controllerクラス(MemberRegisterController)

なお、インジェクションとモック化を組み合わせてテストを行いたい場合は、適宜以下に説明する実装方法を組み合わせて 実装されたい。

10.2.2.3.2.1. StandaloneSetupを利用したテスト

Controllerの依存クラスが利用できモック化する必要がない場合のControllerの単体テストにおいて、StandaloneSetupで作成するファイルを以下に示す。

../../_images/ImplementsOfTestByLayerControllerStandaloneSetupItems.png
作成するファイル名 説明
MemberRegisterControllerStandaloneTest.java MemberRegisterController.javaのテストクラス
spring-mvc-test.xml アプリケーション層に依存するコンポーネントを読み込むためのcomponent-scanをテスト用に抽出した設定ファイル。
test-context.xml Controllerをドメイン層、インフラストラクチャ層と結合してテストを行う場合に使用する設定ファイル。

spring-mvc.xmlを使ってテストをすることが望ましいが、Spring Testが作成したコンテキストと Spring MVCが作成したコンテキストが衝突しテスト実行ができないことがある。 そのため対応策として、テストに必要な設定のみ抽出し、テスト用の設定ファイルを用意する。

以下に、必要な設定のみ抽出した設定ファイルを示す。

  • spring-mvc-test.xml
<context:component-scan base-package="com.example.app" />

ServiceImplクラスなどテスト対象のControllerクラスが依存するクラスをインジェクションする場合の テスト作成方法を説明する。 なお、テストでデータアクセスする場合の検証方法はRepositoryの単体テストを、 呼び出すドメイン層のロジックを確認する方法はServiceの単体テストを参照されたい。

以下に、テスト対象となるControllerの実装例を示す。

  • MemberRegisterController.java
@Controller
@RequestMapping("member/register")
@TransactionTokenCheck("member/register")
public class MemberRegisterController {

    @TransactionTokenCheck(type = TransactionTokenType.IN)
    @RequestMapping(method = RequestMethod.POST)
    public String register(@Validated MemberRegisterForm memberRegisterForm,
        BindingResult result, Model model, RedirectAttributes redirectAttributes) {

        if (result.hasErrors()) {
            throw new BadRequestException(result);
        }

        // omitted

        return "redirect:/member/register?complete";
    }
}

ここでは、テスト対象のMemberRegisterControllerクラスのregisterメソッドを呼び出し、 リクエストマッピングと返却されるVIEWおよびリダイレクトされること(testRegisterConfirm01)、 不正な入力値を送信したときにBadRequestExceptionがthrowされていること(testRegisterConfirm02)の確認を行う。

以下に、ServiceImplクラスなどテスト対象のControllerクラスが依存するクラスをインジェクションする場合の テスト作成方法を説明する。なお、テストでデータアクセスする場合の検証方法はRepositoryの単体テストを参照されたい。

  • MemberRegisterControllerStandaloneTest.java
import static org.hamcrest.CoreMatchers.*;
import static org.junit.Assert.*;
import static org.springframework.test.web.servlet.request.MockMvcRequestBuilders.*;
import static org.springframework.test.web.servlet.result.MockMvcResultHandlers.*;
import static org.springframework.test.web.servlet.result.MockMvcResultMatchers.*;

@RunWith(SpringJUnit4ClassRunner.class)
@ContextConfiguration(locations = {
        "classpath:META-INF/spring/applicationContext.xml", // (1)
        "classpath:META-INF/spring/test-context.xml",       // (1)
        "classpath:META-INF/spring/spring-mvc-test.xml"})   // (1)
public class MemberRegisterControllerStandaloneTest {

    @Inject
    MemberRegisterController target;

    MockMvc mockMvc;

    @Before
    public void setUp() {

        // setup
        mockMvc = MockMvcBuilders.standaloneSetup(target).alwaysDo(log()).build(); // (2)
    }

    @Test
    public void testRegisterConfirm01() throws Exception {

        // setup and run the test
        mockMvc.perform(post("/member/register")
                    // omitted
                    .param("password", "testpassword")          // (3)
                    .param("reEnterPassword", "testpassword"))) // (3)
                    // assert
                    .andExpect(status().is(302))                                  // (4)
                    .andExpect(view().name("redirect:/member/register?complete")) // (4)
                    .andExpect(model().hasNoErrors());                            // (4)
    }

    @Test
    public void testRegisterConfirm02() throws Exception {

        try {
            // setup and run the test
            mockMvc.perform(post("/member/register")
                    // omitted
                    .param("password", "testpassword")
                    .param("reEnterPassword", "")) // (5)
                    // assert
                    .andExpect(status().is(400))
                    .andExpect(view().name("common/error/badRequest-error"))
                    .andReturn();

            fail("test failure!");
        } catch (Exception e) {

            // assert
            assertThat(e, is(instanceOf(NestedServletException.class)));         // (6)
            assertThat(e.getCause(), is(instanceOf(BadRequestException.class))); // (6)
        }
    }
}
項番 説明
(1)
MemberRegisterControllerクラスが依存するServiceRepositoryを動作させるために必要な 設定ファイル(アプリケーションが保持するapplicationContext.xmlとそれを補うtest-context.xmlspring-mvc-test.xml) を読み込む。test-context.xmlは、テスト実装例で使用する設定ファイルを使用している。
(2)
読み込んだBean定義から生成したControllerを使用して、MockMvcをセットアップする。 セットアップの詳細についてはMockMvcのセットアップを参照されたい。
(3)
MemberRegisterControllerクラスのregisterConfirmメソッドを呼び出すため、 /member/registerに対してPOSTメソッドでリクエストを送信する。リクエストパラメータにはFormの情報を設定する。 リクエストデータの設定方法についてはリクエストデータの設定を、リクエスト送信の実装方法については リクエスト送信の実装を参照されたい。
(4)
performメソッドから返却されたResultActionsandExpectメソッドで取得したMvcResultを使用して実行結果の妥当性を検証する。 検証方法の詳細については実行結果検証の実装を参照されたい。
(5)
不正な入力値を送信する。
(6)
SystemExceptionResolverを有効にしていないため、例外ハンドリングされずにNestedServletExceptionがサーブレットコンテナに通知される。 NestedServletExceptiongetCauseメソッドにより取得された例外から、Controllerで期待した例外がthrowされていることを検証する。

10.2.2.3.2.2. WebAppContextSetupを利用したテスト

Controllerの依存クラスが利用できモック化する必要がない場合のControllerの単体テストにおいて、WebAppContextSetupで作成するファイルを以下に示す。

../../_images/ImplementsOfTestByLayerControllerWebAppContextSetupItems.png
作成するファイル名 説明
MemberRegisterControllerWebAppContextTest.java MemberRegisterController.javaのテストクラス

StandaloneSetupを利用したテストの例では、パスへのリクエストやControllerが返すView名などは確認できるが、 TransactionTokenInterceptorSystemExceptionResolverといったSpringに追加して利用する機能は適用されていないため、 トランザクショントークンチェックが正しく設定されているか、エラーページへの遷移が正しいかを判断することはできない。 そのような場合は、MockMvcwebAppContextSetupでセットアップすることにより、 Springに追加して利用するInterceptorExceptionResolverなどをテスト時に自動で適用させることができる。

ここでは、StandaloneSetupを利用したテストで説明したテストと、 @TransactionTokenCheckアノテーション、SystemExceptionResolverが有効になった場合のテストとを比べた時の相違点について説明する。

以下に、テスト対象となるControllerの実装例を示す。

  • MemberRegisterController.java
@Controller
@RequestMapping("member/register")
@TransactionTokenCheck("member/register")
public class MemberRegisterController {

    @TransactionTokenCheck(type = TransactionTokenType.BEGIN) // (1)
    @RequestMapping(method = RequestMethod.POST, params = "confirm")
    public String registerConfirm(@Validated MemberRegisterForm memberRegisterForm,
        BindingResult result, Model model) {

        // omitted

        return "C1/memberRegisterConfirm";
    }

    @TransactionTokenCheck(type = TransactionTokenType.IN) // (1)
    @RequestMapping(method = RequestMethod.POST)
    public String register(@Validated MemberRegisterForm memberRegisterForm,
        BindingResult result, Model model, RedirectAttributes redirectAttributes) {

        if (result.hasErrors()) {
            throw new BadRequestException(result); // (2)
        }

        // omitted

        return "redirect:/member/register?complete";
    }
}
項番 説明
(1)
@TransactionTokenCheckアノテーションを設定することで不正なリクエストを無効にする。 トランザクショントークンチェックについては、トランザクショントークンチェックについてを参照されたい。
(2)
リクエスト時に検証エラーがある場合は改ざんとみなしてエラーをthrowする。

初めに、@TransactionTokenCheckを有効にした場合におけるテスト作成方法の相違点について説明する。 なお、テストでデータアクセスする場合の検証方法はRepositoryの単体テストを参照されたい。

  • MemberRegisterControllerWebAppContextTest.java
import static org.hamcrest.CoreMatchers.*;
import static org.junit.Assert.*;
import static org.springframework.test.web.servlet.request.MockMvcRequestBuilders.*;
import static org.springframework.test.web.servlet.result.MockMvcResultHandlers.*;
import static org.springframework.test.web.servlet.result.MockMvcResultMatchers.*;

@RunWith(SpringJUnit4ClassRunner.class)
@ContextHierarchy({@ContextConfiguration(                                   // (1)
        "classpath:META-INF/spring/applicationContext.xml"),                // (1)
        @ContextConfiguration("classpath:META-INF/spring/spring-mvc.xml")}) // (1)
@WebAppConfiguration                                                        // (1)
public class MemberRegisterControllerWebAppContextTest {

    @Inject
    WebApplicationContext webApplicationContext; // (2)

    MockMvc mockMvc;

    @Before
    public void setUp() {

        // setup
        mockMvc = MockMvcBuilders.webAppContextSetup(webApplicationContext) // (2)
                .alwaysDo(log()).build();
    }

    @Test
    public void testRegisterConfirm01() throws Exception {

        // setup and run the test
        MvcResult mvcResult = mockMvc.perform(post("/member/register") // (3)
                    .param("confirm", "")                              // (3)
                    // omitted
                    .param("password", "testpassword")                 // (3)
                    .param("reEnterPassword", "testpassword"))         // (3)
                    // assert
                    .andExpect(status().is(200))
                    .andExpect(view().name("C1/memberRegisterConfirm"))
                    .andReturn();

        TransactionToken actTransactionToken = (TransactionToken) mvcResult.getRequest()
                .getAttribute(TransactionTokenInterceptor.NEXT_TOKEN_REQUEST_ATTRIBUTE_NAME); // (4)

        MockHttpSession mockSession = (MockHttpSession) mvcResult.getRequest().getSession();  // (5)

        // setup and run the test
        mockMvc.perform(post("/member/register")              // (6)
                    // omitted
                    .param("password", "testpassword")        // (6)
                    .param("reEnterPassword", "testpassword") // (6)
                    .param(TransactionTokenInterceptor.TOKEN_REQUEST_PARAMETER,
                            actTransactionToken.getTokenString()) // (6)
                    .session(mockSession)) // (6)
                    // assert
                    .andExpect(status().is(302))                                   // (7)
                    .andExpect(view().name("redirect:/member/register?complete")); // (7)
    }
}
項番 説明
(1)
業務でカスタムしたInterceptorExceptionResolverなどを動作させるためにspring-mvc.xmlを読み込む。
(2)
読み込んだBean定義から生成したWebアプリケーションコンテキストを使用して、MockMvcをセットアップする。
(3)
トランザクショントークンを生成するために、@TransactionTokenCheck(type = TransactionTokenType.BEGIN)が設定された メソッドに対してリクエストを送信する。
(4)
BEGINしたリクエスト(registerConfirmメソッド)からINのリクエスト(registerメソッド) にトランザクショントークンを引き継ぐため、リクエスト属性からトランザクショントークンを取得する。
(5)
サーバ側は発行したトランザクショントークンをセッションに保持するため、次のリクエストでも同じセッションを参照する必要があるが、 MockMvcでは1リクエストごとに新規セッションが使われてしまうため、明示的に同じセッションを使用するよう指定する。
(6)
再度、リクエストパス(/member/register)に対してPOSTメソッドでリクエストを送信する。 リクエストパラメータにはFormの情報、(4)で取得したトランザクショントークンを設定し、 セッションには(5)で取得したセッションを設定する。
(7)
トランザクショントークンチェックの設定が正しいことを確認するために、トークンチェックエラーになっていないことを検証する。

次に、SystemExceptionResolverを有効にした場合におけるテスト作成方法の相違点を説明する。

以下に、SystemExceptionResolverの定義例を示す。

  • spring-mvc.xml
<bean class="org.terasoluna.gfw.web.exception.SystemExceptionResolver">
  <property name="order" value="3" />
  <property name="exceptionMappings">
    <map>
      <entry key="InvalidTransactionTokenException" value="common/error/token-error" />
      <entry key="BadRequestException" value="common/error/badRequest-error" />
      <entry key="Exception" value="common/error/system-error" />
    </map>
  </property>
  <property name="statusCodes">
    <map>
      <entry key="common/error/token-error" value="409" />
      <entry key="common/error/badRequest-error" value="400" />
    </map>
  </property>
  <property name="excludedExceptions">
      <array>
          <value>org.springframework.web.util.NestedServletException</value>
      </array>
  </property>
  <property name="defaultStatusCode" value="500" />
  <property name="exceptionCodeResolver" ref="exceptionCodeResolver" />
  <property name="preventResponseCaching" value="true" />
</bean>

以下に、テスト作成方法の相違点について説明する。

  • MemberRegisterControllerWebAppContextTest.java
import static org.hamcrest.CoreMatchers.*;
import static org.junit.Assert.*;
import static org.springframework.test.web.servlet.request.MockMvcRequestBuilders.*;
import static org.springframework.test.web.servlet.result.MockMvcResultHandlers.*;
import static org.springframework.test.web.servlet.result.MockMvcResultMatchers.*;

@RunWith(SpringJUnit4ClassRunner.class)
@ContextHierarchy({@ContextConfiguration(
        "classpath:META-INF/spring/applicationContext.xml"),
        @ContextConfiguration("classpath:META-INF/spring/spring-mvc.xml")})
@WebAppConfiguration
public class MemberRegisterControllerWebAppContextTest {

    @Inject
    WebApplicationContext webApplicationContext;

    MockMvc mockMvc;

    @Before
    public void setUp() {

        // setup
        mockMvc = MockMvcBuilders.webAppContextSetup(webApplicationContext)
                .alwaysDo(log()).build();
    }

    @Test
    public void testRegisterConfirm02() throws Exception {

        // omitted

        // setup and run the test
        mvcResult = mockMvc.perform(post("/member/register")
                    .param("password", "testpassword")
                    .param("reEnterPassword", "") // (1)
                    .param(TransactionTokenInterceptor.TOKEN_REQUEST_PARAMETER,
                            actTransactionToken.getTokenString()) // (2)
                    .session(mockSession)) // (2)
                    // assert
                    .andExpect(status().is(400))                             // (3)
                    .andExpect(view().name("common/error/badRequest-error")) // (3)
                    .andReturn();

        // assert
        Exception exception = mvcResult.getResolvedException();                   // (4)
        assertThat(exception, is(instanceOf(BadRequestException.class)));         // (4)
        assertThat(exception.getMessage(), is("不正リクエスト(パラメータ改竄)")); // (4)
    }
}
項番 説明
(1)
Formの情報を不正な値にすることで、registerメソッドの内でエラーをthrowさせている。
(2)
前述と同様に、生成したトランザクショントークン情報を設定する。
(3)
ここではSystemExceptionResolverが有効になっているため、 定義したエラーのステータスコード、エラーページの遷移先が正しく設定されていることを検証する。
(4)
SystemExceptionResolverで例外ハンドリングされたエラーから、 期待したエラーがthrowされていることを検証する。

Note

Sessionを利用する場合

ControllerクラスがSessionを利用している場合はorg.springframework.mock.web.MockHttpSessionを使ってテストを行う。

  • MockHttpSessionを利用したテストメソッドの例
public class SessionControllerTest {

    // (1)
    MockHttpSession mockSession = new MockHttpSession();

    // omitted

    @Test
    public void testSession() throws Exception {
        String formName = "todoForm";

        TodoForm form = new TodoForm();
        String todoId = "1111";
        String todoTitle = "test";

        form.setTodoId(todoId);
        form.setTodoTitle(todoTitle);

        // (2)
        mockSession.setAttribute(formName, form);

        // (3)
        ResultActions results = mockMvc.perform(post("/todo/operation")
            .param("create", "create")
            .param("todoId", todoId)
            .param("todoTitle", todoTitle)
            .session(mockSession));

        // (4)
        results.andExpect(request().sessionAttribute(formName, isA(TodoForm.class)));

        // omitted

        // (5)
        results = mockMvc.perform(get("/todo/create").param("redo", "redo"));
        results.andExpect(request().sessionAttribute(formName, isA(TodoForm.class)));

        // omitted
    }
}
項番 説明
(1)
セッションのモックオブジェクトを生成する。クラスの詳細については、 MockHttpSession のJavadocを参照されたい。
(2)
生成したセッションのモックオブジェクトに、格納したいオブジェクトをセットする。
(3)
MockMvcRequestBuilderspostメソッドで リクエストのモックを生成し、生成したリクエストにsessionメソッドでセッションのモックを登録する。
(4)
(2)でセットしたオブジェクトが、セッションスコープに格納されていることを確認する。
(5)
再度リクエストを発行し、セッションスコープに格納したオブジェクトが保持されているか確認する。

10.2.2.3.2.3. モックを利用したテスト

Controllerの依存クラスをモック化する必要がある場合のControllerの単体テストにおいて、 作成するファイルを以下に示す。

../../_images/ImplementsOfTestByLayerControllerMockTest.png
作成するファイル名 説明
TicketSearchControllerMockTest.java TicketSearchController.javaのテストクラス

テスト対象のControllerクラスが依存するクラスを、モック化する場合のテスト作成方法を説明する。

以下に、テスト対象となるControllerの実装例を示す。

  • TicketSearchController.java
@Controller
@RequestMapping("ticket/search")
public class TicketSearchController {

    @Inject
    TicketSearchHelper ticketSearchHelper;

    @RequestMapping(method = RequestMethod.GET, params = "form")
    public String searchForm(Model model) {

        model.addAttribute(ticketSearchHelper.createDefaultTicketSearchForm());

        model.addAttribute(ticketSearchHelper.createFlightSearchOutputDto());

        model.addAttribute("isInitialSearchUnnecessary", true);

        return "B1/flightSearch";
    }
}

以下に、Controllerのテスト実装例を示す。

  • TicketSearchControllerMockTest.java
import static org.hamcrest.CoreMatchers.*;
import static org.junit.Assert.*;
import static org.mockito.Mockito.*;
import static org.springframework.test.web.servlet.request.MockMvcRequestBuilders.*;
import static org.springframework.test.web.servlet.result.MockMvcResultHandlers.*;
import static org.springframework.test.web.servlet.result.MockMvcResultMatchers.*;

public class TicketSearchControllerMockTest {

    @Rule // (1)
    public MockitoRule mockito = MockitoJUnit.rule();

    @InjectMocks // (2)
    TicketSearchController target;

    @Mock // (3)
    TicketSearchHelper ticketSearchHelper;

    MockMvc mockMvc;

    @Before
    public void setUp() {

        // setup
        TicketSearchForm ticketSearchForm = new TicketSearchForm();
        ticketSearchForm.setFlightType(FlightType.RT);
        ticketSearchForm.setDepAirportCd("HND");
        // omitted

        when(ticketSearchHelper.createDefaultTicketSearchForm()).thenReturn(ticketSearchForm); // (4)

        mockMvc = MockMvcBuilders.standaloneSetup(target).alwaysDo(log()).build();
    }

    @Test
    public void testSearchForm() throws Exception {

        // setup and run the test
        MvcResult mvcResult = mockMvc.perform(get("/ticket/search").param("form", ""))
                    // assert
                    .andExpect(status().is(200))
                    .andExpect(view().name("B1/flightSearch"))
                    .andReturn();

        // assert
        verify(ticketSearchHelper).createDefaultTicketSearchForm(); // (5)

        // omitted
    }
}
項番 説明
(1)
モックの初期化とインジェクションをアノテーションベースで行うための宣言。 詳細はモックの生成を参照されたい。
(2)
@Mockアノテーションを付与することで、TicketSearchControllerが依存している TicketSearchHelperをモック化している。 詳細はモックの生成を参照されたい。
(3)
@InjectMocksアノテーションを付与することで、自動的にモックオブジェクトが代入される。 詳細はモックの生成を参照されたい。
(4)
すべてのテストメソッドにおいて、 ticketSearchHelpercreateDefaultTicketSearchFormメソッドの返り値として createMockFormメソッドの返り値を設定する。メソッドのモック化については、メソッドのモック化を参照されたい。
(5)
ticketSearchHelpercreateDefaultTicketSearchFormメソッドについて1回呼び出されたことを検証する。 モック化したメソッドの検証については、モック化したメソッドの検証を参照されたい。

10.2.2.3.3. Helperの単体テスト

Helperの単体テストは、Serviceと同様の実装でテストすることができる。 実装方法については、Serviceの単体テストを参照されたい。