5.6. ロギング¶
Note
本ガイドラインで説明する内容はあくまで指針のため、業務要件に合わせて柔軟に対応すること。
5.6.1. Overview¶
System.out.println
のような簡易的な出力で行える。5.6.1.1. ログの種類¶
ログレベル | カテゴリ | 出力目的 | 出力内容 |
---|---|---|---|
TRACE | 性能ログ | リクエストの処理時間の測定
(本番環境運用時は出力対象としない)
|
処理開始終了時間、処理経過時間(ms)、
実行処理を判別できる情報(実行コントローラ + メソッド、リクエストURLなど)等
|
DEBUG | デバッグログ | 開発時のデバック
(本番環境運用時には出力対象としない)
|
任意(実行したクエリ、入力パラメータ、戻り値など) |
INFO | アクセスログ | 業務量の把握
|
アクセス日時、利用ユーザを判別できる情報(IPアドレス、認証情報)、
実行処理を判別できる情報(リクエストURL)等、証跡を残すための情報
|
INFO | 外部通信ログ | 外部システムとの通信におけるエラー解析
|
送信受信時間、送受信データなど |
WARN | 業務エラーログ | 業務エラーの記録 | 業務エラー発生時間、業務エラーに対応するメッセージIDとメッセージ
入力情報、例外メッセージなど解析に必要な情報
|
ERROR | システムエラーログ | システム運用の継続が困難な事象の記録 | システムエラー発生時間、システムエラーに対応するメッセージIDとメッセージ
入力情報、例外メッセージなど解析に必要な情報
基本的には、フレームワークが出力し、ビジネスロジックは出力しない。
|
ERROR | 監視ログ | 例外発生の監視 | 例外発生時間、システムエラーに対応するメッセージID
ツールを用いて監視することを考慮し、出力内容は最低限とすること
|
Note
SLF4JやLogbackのログレベルの順番は、 TRACE < DEBUG < INFO < WARN < ERROR である。 commons-logginsや、Log4Jで用意されていたFATALレベルは、存在しない。
5.6.1.2. ログの出力内容¶
- ログに出力するIDについてログを運用で監視する場合は、運用監視で使用するログに、メッセージIDを含めることを推奨する。また、アクセスログを用いて業務量を把握する場合は、集計を容易にするため、メッセージ管理で示しているように、業務ごとに切り分けられるIDをあわせて出力すること。
Note
ログにIDを含めることにより、ログの可読性が高まるため、システム運用時は、故障解析の一次切り分けの短時間化につながる。 ログIDの体系は、メッセージ管理を参考にすると良い。 ただし、すべてのログにIDを付与する必要はなく、debug時には、IDは不要である。運用時に、素早く切り分け可能になることを推奨する。
障害発生時に、ログID(またはメッセージID)を、エラー画面に表示して、システム利用者に通知し、 利用者に対して、そのIDをコールセンターに通知してもらうような運用にすると、障害解析が容易になる。
ただし、障害の内容までエラーが画面に表示してしまうと、システムの脆弱性を晒してしまう可能性があるため、注意すること。
例外が発生した際に、ログや画面にメッセージID(例外コード)を含めるための仕組み(コンポーネント)を共通ライブラリから提供している。 詳細については、「例外ハンドリング」を参照されたい。
- トレーサビリティトレーサビリティ向上のために、各ログにリクエスト単位で、一意となるようなTrack ID(以降X-Trackと呼ぶ)を出力させることを推奨する。X-Trackを含めたログの例を、以下に示す。
date:2013-09-06 19:36:31 X-Track:85a437108e9f4a959fd227f07f72ca20 message:[START CONTROLLER] (omitted) date:2013-09-06 19:36:31 X-Track:85a437108e9f4a959fd227f07f72ca20 message:[END CONTROLLER ] (omitted) date:2013-09-06 19:36:31 X-Track:85a437108e9f4a959fd227f07f72ca20 message:[HANDLING TIME ] (omitted) date:2013-09-06 19:36:33 X-Track:948c8b9fd04944b78ad8aa9e24d9f263 message:[START CONTROLLER] (omitted) date:2013-09-06 19:36:33 X-Track:142ff9674efd486cbd1e293e5aa53a78 message:[START CONTROLLER] (omitted) date:2013-09-06 19:36:33 X-Track:142ff9674efd486cbd1e293e5aa53a78 message:[END CONTROLLER ] (omitted) date:2013-09-06 19:36:33 X-Track:142ff9674efd486cbd1e293e5aa53a78 message:[HANDLING TIME ] (omitted) date:2013-09-06 19:36:33 X-Track:948c8b9fd04944b78ad8aa9e24d9f263 message:[END CONTROLLER ] (omitted) date:2013-09-06 19:36:33 X-Track:948c8b9fd04944b78ad8aa9e24d9f263 message:[HANDLING TIME ] (omitted)
Track ID を出力させることで、不規則に出力された場合でも、ログを結びつけることができる。上記の例だと、4行目と8,9行目が、同じリクエストに関するログであることがわかる。共通ライブラリでは、リクエスト毎のユニークキーを生成し、MDCに追加するorg.terasoluna.gfw.web.logging.mdc.XTrackMDCPutFilter
を提供している。XTrackMDCPutFilter
は、HTTPレスポンスヘッダの”X-Track”にもTrack IDを設定する。ログ中では、Track IDのラベルとして、X-Trackを使用している。使用方法については、MDCについてを参照されたい。
- ログのマスクについて個人情報、クレジットカード番号など、ログファイルにそのまま出力すると、セキュリティ上問題のある情報は、必要に応じてマスクすること。
5.6.1.3. ログの出力ポイント¶
カテゴリ | 出力ポイント |
---|---|
性能ログ
|
業務処理の処理時間を計測し、業務処理実行後に出力したり、リクエストの処理時間を計測し、レスポンスを返す際に、ログを出力する。
通常は、AOPやサーブレットフィルタ等で実装する。
共通ライブラリでは、SpringMVCのControllerの処理メソッドの処理時間を、Controllerの処理メソッド実行後に、TRACEログで出力する、
org.terasoluna.gfw.web.logging.TraceLoggingInterceptor を提供している。 |
デバッグログ
|
開発時にデバック情報を出力する必要がある場合、ソースコード中に、適宜ログ出力処理を実装する。
共通ライブラリでは、HTTPセッションの生成・破棄・属性追加のタイミングで、DEBUGログを出力するリスナー
org.terasoluna.gfw.web.logging.HttpSessionEventLoggingListener を提供している。 |
アクセスログ
|
リクエストの受付時、レスポンス返却時に、INFOログを出力する。
通常は、AOPやサーブレットフィルタで実装する。
|
外部通信ログ
|
外部のシステムと連携前後で、INFOログを出力する。
|
業務エラーログ
|
業務例外がスローされたタイミング等で、WARNログを出力する。
通常は、AOPで実装する。
共通ライブラリでは、業務処理実行時にorg.terasoluna.gfw.common.exception.BusinessExceptionがスローされた場合に、WARNログを出力する
org.terasoluna.gfw.common.exception.ResultMessagesLoggingInterceptor を提供している。詳細は 例外ハンドリング を参照。
|
システムエラーログ
|
システム例外や、予期せぬ例外が発生した際に、ERRORログを出力する。
通常は、AOPやサーブレットフィルタ等で実装する。
共通ライブラリでは、
org.terasoluna.gfw.web.exception.HandlerExceptionResolverLoggingInterceptor や、org.terasoluna.gfw.web.exception.ExceptionLoggingFilter を提供している。詳細は、例外ハンドリング を参照されたい。
|
監視ログ | 業務エラーログ、システムエラーログの出力タイミングと同様である。 |
Note
ログを出力する際は、どこで出力されたかわかりやすくなるように、他のログと、全く同じ内容を出力にならないように注意すること。
5.6.2. How to use¶
SLF4J + Logbackでログを出力するには、
- Logbackの設定
- SLF4JのAPI呼び出し
が必要である。
5.6.2.1. Logbackの設定¶
Note
Logbackの設定は、以下のルールによる自動で読み込まれる。
- クラスパス上のlogback.grovy
- 「1」のファイルが見つからない場合、クラスパス上のlogback-text.xml
- 「2」のファイルが見つからない場合、クラスパス上のlogback.xml
- 「3」のファイルが見つからない場合、BasicConfiguratorクラスの設定内容(コンソール出力)
本ガイドラインでは、logback.xmlをクラスパス上に配置することを推奨する。 このほか、自動読み込み以外にも、APIによってプログラマティックに読み込んだり、 システムプロパティで設定ファイルを指定することができる。
logback.xml
<!DOCTYPE logback>
<configuration>
<appender name="STDOUT" class="ch.qos.logback.core.ConsoleAppender"> <!-- (1) -->
<encoder>
<pattern><![CDATA[date:%d{yyyy-MM-dd HH:mm:ss}\tthread:%thread\tX-Track:%X{X-Track}\tlevel:%-5level\tlogger:%-48logger{48}\tmessage:%msg%n]]></pattern> <!-- (2) -->
</encoder>
</appender>
<appender name="APPLICATION_LOG_FILE" class="ch.qos.logback.core.rolling.RollingFileAppender"> <!-- (3) -->
<file>log/projectName-application.log</file> <!-- (4) -->
<rollingPolicy class="ch.qos.logback.core.rolling.TimeBasedRollingPolicy">
<fileNamePattern>log/projectName-application-%d{yyyyMMddHH}.log</fileNamePattern> <!-- (5) -->
<maxHistory>7</maxHistory> <!-- (6) -->
</rollingPolicy>
<encoder>
<charset>UTF-8</charset> <!-- (7) -->
<pattern><![CDATA[date:%d{yyyy-MM-dd HH:mm:ss}\tthread:%thread\tX-Track:%X{X-Track}\tlevel:%-5level\tlogger:%-48logger{48}\tmessage:%msg%n]]></pattern>
</encoder>
</appender>
<appender name="MONITORING_LOG_FILE" class="ch.qos.logback.core.rolling.RollingFileAppender"> <!-- (8) -->
<file>log/projectName-monitoring.log</file>
<rollingPolicy class="ch.qos.logback.core.rolling.TimeBasedRollingPolicy">
<fileNamePattern>log/projectName-monitoring-%d{yyyyMMdd}.log</fileNamePattern>
<maxHistory>7</maxHistory>
</rollingPolicy>
<encoder>
<charset>UTF-8</charset>
<pattern><![CDATA[date:%d{yyyy-MM-dd HH:mm:ss}\tX-Track:%X{X-Track}\tlevel:%-5level\tmessage:%msg%n]]></pattern>
</encoder>
</appender>
<!-- Application Loggers -->
<logger name="com.example.sample"> <!-- (9) -->
<level value="debug" />
</logger>
<!-- TERASOLUNA -->
<logger name="org.terasoluna.gfw">
<level value="info" />
</logger>
<logger name="org.terasoluna.gfw.web.logging.TraceLoggingInterceptor">
<level value="trace" />
</logger>
<logger name="org.terasoluna.gfw.common.exception.ExceptionLogger">
<level value="info" />
</logger>
<logger name="org.terasoluna.gfw.common.exception.ExceptionLogger.Monitoring" additivity="false"><!-- (10) -->
<level value="error" />
<appender-ref ref="MONITORING_LOG_FILE" />
</logger>
<!-- 3rdparty Loggers -->
<logger name="org.springframework">
<level value="warn" />
</logger>
<logger name="org.springframework.web.servlet">
<level value="info" />
</logger>
<root level="warn"> <!-- (11) -->
<appender-ref ref="STDOUT" /> <!-- (12) -->
<appender-ref ref="APPLICATION_LOG_FILE" />
</root>
</configuration>
項番 | 説明 |
---|---|
(1)
|
コンソールにログを出力するための、アペンダ定義を指定する。
出力先を標準出力にするか、標準エラーにするか選べるが、指定しない場合は、標準出力となる。
|
(2)
|
ログの出力形式を指定する。何も記述しなければ、メッセージだけが出力される。
時刻やメッセージレベルなど、業務要件に合わせて出力させる。
ここでは”ラベル:値<TAB>ラベル:値<TAB>…”形式のLTSV(Labeled Tab Separated Value)フォーマットを設定している。
|
(3)
|
アプリケーションログを出力するための、アペンダ定義を指定する。
どのアペンダを使用するかは、<logger>に指定することもできるが、ここではアプリケーションログはデフォルトで使用するため、root(11)に参照させている。
アプリケーションログを出力する際によく使用されるのは、RollingFileAppenderであるが、ログのローテーションをlogrotateなど別機能で実施する場合、FileAppenderを使用することもある。
|
(4)
|
カレントファイル名(出力中のログのファイル名)を指定する。固定のファイル名としたい場合は指定すること。
<file>ログファイル名</file>を指定しないと、(5)のパターンの名称で出力される。
|
(5)
|
ローテーション後のファイル名を指定する。通常は、日付か時間の形式が、多く採用される。
誤ってHHをhhと設定してしまうと、24時間表記されないため注意すること。
|
(6)
|
ローテーションしたファイルをいくつ残すかを指定する。
|
(7)
|
ログファイルの文字コードを指定する。
|
(8)
|
デフォルトでアプリケーションログが出力されるように設定する。
|
(9)
|
ロガー名は、com.example.sample以下のロガーが、debugレベル以上のログを出力するように設定する。
|
(10)
|
|
(11)
|
<logger>の指定が無いロガーが、warnレベル以上のログを出力するように設定する。
|
(12)
|
デフォルトでConsoleAppender, RollingFileAppender(アプリケーションログ)が使用されるように設定する。
|
Tip
LTSV(Labeled Tab Separated Value)について
LTSVは、テキストデータのフォーマットの一つであり、主にログのフォーマットとして使用される。
LTSVは、
- フィールドの区切り文字としてタブを使用することで、他の区切り文字に比べてフォールドを分割しやすい。
- フィールドにラベル(名前)を設けることで、フィールド定義の変更(定義位置の変更、フィールドの追加、フィールドの削除)を行ってもパース処理には影響を与えない。
また、エクセルに貼付けるだけで最低限のフォーマットが行える点も特徴の一つである。
logback.xmlで設定するものは、次の3つになる。
種類 | 概要 |
---|---|
appender | 「どの場所に」「どんなレイアウト」で出力するのか |
root | デフォルトでは、「どのログレベル」以上で「どのappender」に出力するのか |
logger | 「どのロガー(パッケージやクラス等)」は、「どのログレベル」以上で出力するのか |
<appender>要素には、「どの場所に」「どんなレイアウト」で出力するのかを定義する。 appenderを定義しただけではログ出力の際に使用されず、 <logger>要素や<root>要素に参照されると、初めて使用される。 属性は、nameとclassの2つで、共に必須である。
属性 | 概要 |
---|---|
name | appenderの名前。appender-refで指定される。好きな名前をつけてよい。 |
class | appender実装クラスのFQCN。 |
提供されている主なappenderを、以下に示す
Appender | 概要 |
---|---|
ConsoleAppender | コンソール出力 |
FileAppender | ファイル出力 |
RollingFileAppender | ファイル出力(ローリング可能) |
AsyncAppender | 非同期出力。性能を求められる処理中のロギングに使用する。(出力先は、他のAppenderで設定する必要がある。) |
Appenderの詳細な種類は、公式マニュアルを参照されたい。
5.6.2.2. SLF4JのAPI呼び出しによる基本的なログ出力¶
SLF4Jのロガー(org.slf4j.Logger
)の各ログレベルに応じたメソッドを呼び出してログを出力する。
package com.example.sample.app.welcome;
import org.slf4j.Logger;
import org.slf4j.LoggerFactory;
import org.springframework.stereotype.Controller;
import org.springframework.ui.Model;
import org.springframework.web.bind.annotation.RequestMapping;
import org.springframework.web.bind.annotation.RequestMethod;
@Controller
public class HomeController {
private static final Logger logger = LoggerFactory
.getLogger(HomeController.class);
@RequestMapping(value = "/", method = { RequestMethod.GET,
RequestMethod.POST })
public String home(Model model) {
logger.trace("This log is trace log.");
logger.debug("This log is debug log.");
logger.info("This log is info log.");
logger.warn("This log is warn log.");
logger.error("This log is error log.");
return "welcome/home";
}
}
項番 | 説明 |
---|---|
(1)
|
org.slf4j.LoggerFactory からLogger を生成する。getLogger の引数にClassオブジェクトを設定した場合は、ロガー名は、そのクラスのFQCNになる。
この例では、”com.example.sample.app.welcome.HomeController”が、ロガー名になる。
|
(2)
|
TRACEレベルのログを出力する。
|
(3)
|
DEBUGレベルのログを出力する。
|
(4)
|
INFOレベルのログを出力する。
|
(5)
|
WARNレベルのログを出力する。
|
(6)
|
ERRORレベルのログを出力する。
|
ログの出力結果を、以下に示す。このcom.example.sampleのログレベルは、DEBUGなので、TRACEログは出力されない。
date:2013-11-06 20:13:05 thread:tomcat-http--3 X-Track:5844f073b7434b67a875cb85b131e686 level:DEBUG logger:com.example.sample.app.welcome.HomeController message:This log is debug log.
date:2013-11-06 20:13:05 thread:tomcat-http--3 X-Track:5844f073b7434b67a875cb85b131e686 level:INFO logger:com.example.sample.app.welcome.HomeController message:This log is info log.
date:2013-11-06 20:13:05 thread:tomcat-http--3 X-Track:5844f073b7434b67a875cb85b131e686 level:WARN logger:com.example.sample.app.welcome.HomeController message:This log is warn log.
date:2013-11-06 20:13:05 thread:tomcat-http--3 X-Track:5844f073b7434b67a875cb85b131e686 level:ERROR logger:com.example.sample.app.welcome.HomeController message:This log is error log.
ログメッセージのプレースホルダに引数を埋め込む場合は、次のように記述すればよい。
int a = 1;
logger.debug("a={}", a);
String b = "bbb";
logger.debug("a={}, b={}", a, b);
以下のようなログが出力される。
date:2013-11-06 20:32:45 thread:tomcat-http--3 X-Track:853aa701a401404a87342a574c69efbc level:DEBUG logger:com.example.sample.app.welcome.HomeController message:a=1
date:2013-11-06 20:32:45 thread:tomcat-http--3 X-Track:853aa701a401404a87342a574c69efbc level:DEBUG logger:com.example.sample.app.welcome.HomeController message:a=1, b=bbb
Warning
logger.debug("a=" + a + " , b=" + b);
というように、文字列連結を行わないように注意すること。
例外をキャッチする際は、 以下のようにERRORログ(場合によってはWARNログ)を出力し、ログメソッドにエラーメッセージと発生した例外を渡す。
public String home(Model model) {
// ommited
try {
throwException();
} catch (Exception e) {
logger.error("Exception happend!", e);
// ommited
}
// ommited
}
public void throwException() throws Exception {
throw new Exception("Test Exception!");
}
これにより、起因例外のスタックトレースが出力され、エラーの原因を解析しやすくなる。
date:2013-11-06 20:38:04 thread:tomcat-http--5 X-Track:11d7dbdf64e44782822c5aea4fc4bb4f level:ERROR logger:com.example.sample.app.welcome.HomeController message:Exception happend!
java.lang.Exception: Test Exception!
at com.example.sample.app.welcome.HomeController.throwException(HomeController.java:40) ~[HomeController.class:na]
at com.example.sample.app.welcome.HomeController.home(HomeController.java:31) ~[HomeController.class:na]
at sun.reflect.NativeMethodAccessorImpl.invoke0(Native Method) ~[na:1.7.0_40]
(omitted)
ただし、以下のようにキャッチした例外を別の例外にラップして、上位に再スローする場合はログを出力しなくてもよい。通常は上位でエラーログが出力されるためである。
try {
throwException();
} catch (Exception e) {
throw new SystemException("e.ex.fw.9001", e);
// no need to log
}
Note
起因例外をログメソッドに渡す場合は、プレースホルダーを使用できない。この場合に限り、 メッセージの引数を文字列で連結してもよい。
try { throwException(); } catch (Exception e) { // NG => logger.error("Exception happend! [a={} , b={}]", e, a, b); logger.error("Exception happend! [a=" + a + " , b=" + b + "]", e); // ommited }
5.6.2.3. ログ出力の記述の注意点¶
SLF4JのLoggerは、内部でログレベルのチェックを行い、必要なレベルの場合にのみ実際にログを出力する。
したがって、次のようなログレベルのチェックは、基本的に不要である。
if (logger.isDebugEnabled()) {
logger.debug("This log is Debug.");
}
if (logger.isDebugEnabled()) {
logger.debug("a={}", a);
}
ただし、次の場合は性能劣化を防ぐために、ログレベルのチェックを行うこと。
引数が3個以上の場合
ログメッセージの引数が3以上の場合、SLF4JのAPIでは引数の配列を渡す必要がある。配列生成のコストを避けるため、 ログレベルのチェックを行い、必要なときのみ、配列が生成されるようにすること。
if (logger.isDebugEnabled()) { logger.debug("a={}, b={}, c={}", new Object[] { a, b, c }); }
引数の生成にメソッド呼び出しが必要な場合
ログメッセージの引数を生成する際にメソッド呼び出しが必要な場合、メソッド実行コストを避けるため、 ログレベルのチェックを行い、必要なときのみメソッドが実行されるようにすること。
if (logger.isDebugEnabled()) { logger.debug("xxx={}", foo.getXxx()); }
5.6.3. Appendix¶
5.6.3.1. MDCの使用¶
5.6.3.1.1. 基本的な使用方法¶
import org.slf4j.Logger;
import org.slf4j.LoggerFactory;
import org.slf4j.MDC;
public class Main {
private static final Logger logger = LoggerFactory.getLogger(Main.class);
public static void main(String[] args) {
String key = "MDC_SAMPLE";
MDC.put(key, "sample"); // (1)
try {
logger.debug("debug log");
logger.info("info log");
logger.warn("warn log");
logger.error("error log");
} finally {
MDC.remove(key); // (2)
}
logger.debug("mdc removed!");
}
}
logback.xmlの<pattern>
に%X{キー名}
形式で出力フォーマットを定義することで、
MDCに追加した値をログに出力できる。
<appender name="STDOUT" class="ch.qos.logback.core.ConsoleAppender">
<encoder>
<pattern><![CDATA[date:%d{yyyy-MM-dd HH:mm:ss}\tthread:%thread\tmdcSample:%X{MDC_SAMPLE}\tlevel:%-5level\t\tmessage:%msg%n]]></pattern>
</encoder>
</appender>
実行結果は、以下のようになる、
date:2013-11-08 17:45:48 thread:main mdcSample:sample level:DEBUG message:debug log
date:2013-11-08 17:45:48 thread:main mdcSample:sample level:INFO message:info log
date:2013-11-08 17:45:48 thread:main mdcSample:sample level:WARN message:warn log
date:2013-11-08 17:45:48 thread:main mdcSample:sample level:ERROR message:error log
date:2013-11-08 17:45:48 thread:main mdcSample: level:DEBUG message:mdc removed!
Note
MDC.clear()
を実行すると、追加したすべての値が削除される。
5.6.3.1.2. FilterでMDCに値をPutする¶
org.terasoluna.gfw.web.logging.mdc.AbstractMDCPutFilter
- リクエスト毎にユニークなIDをMDCに設定する
org.terasoluna.gfw.web.logging.mdc.XTrackMDCPutFilter
- Spring Securityの認証ユーザ名をMDCに設定する
org.terasoluna.gfw.security.web.logging.UserIdMDCPutFilter
org.terasoluna.gfw.web.logging.mdc.XTrackMDCPutFilter
の実装を参考にAbstractMDCPutFilter
を実装すればよい。MDCFilterの使用方法
web.xmlのfilter定義にMDCFilterの定義を追加する。
<!-- omitted -->
<!-- (1) -->
<filter>
<filter-name>MDCClearFilter</filter-name>
<filter-class>org.terasoluna.gfw.web.logging.mdc.MDCClearFilter</filter-class>
</filter>
<filter-mapping>
<filter-name>MDCClearFilter</filter-name>
<url-pattern>/*</url-pattern>
</filter-mapping>
<!-- (2) -->
<filter>
<filter-name>XTrackMDCPutFilter</filter-name>
<filter-class>org.terasoluna.gfw.web.logging.mdc.XTrackMDCPutFilter</filter-class>
</filter>
<filter-mapping>
<filter-name>XTrackMDCPutFilter</filter-name>
<url-pattern>/*</url-pattern>
</filter-mapping>
<!-- (3) -->
<filter>
<filter-name>UserIdMDCPutFilter</filter-name>
<filter-class>org.terasoluna.gfw.security.web.logging.UserIdMDCPutFilter</filter-class>
</filter>
<filter-mapping>
<filter-name>UserIdMDCPutFilter</filter-name>
<url-pattern>/*</url-pattern>
</filter-mapping>
<!-- omitted -->
項番 | 説明 |
---|---|
(1)
|
MDCの内容をクリアする
MDCClearFilter を設定する。各種
MDCPutFilter が追加したMDCへの値を、このFilterが消去する。 |
(2)
|
XTrackMDCPutFilter を設定する。XTrackMDCPutFilter はキー”X-Track”にリクエストIDをputする。 |
(3)
|
UserIdMDCPutFilter を設定する。UserIdMDCPutFilter はキー”USER”にユーザーIDをputする。 |
MDCClearFilter
は以下のシーケンス図のように、後処理としてMDCの内容をクリアするため、
各種MDCPutFilter
よりも、先に定義すること。
logback.xmlの<pattern>
に%X{X-Track}
および、%X{USER}
を追加することで、リクエストIDとユーザーIDをログに出力することができる。
<!-- omitted -->
<appender name="APPLICATION_LOG_FILE" class="ch.qos.logback.core.rolling.RollingFileAppender">
<file>log/projectName-application.log</file>
<rollingPolicy class="ch.qos.logback.core.rolling.TimeBasedRollingPolicy">
<fileNamePattern>log/projectName-application-%d{yyyyMMdd}.log</fileNamePattern>
<maxHistory>7</maxHistory>
</rollingPolicy>
<encoder>
<charset>UTF-8</charset>
<pattern><![CDATA[date:%d{yyyy-MM-dd HH:mm:ss}\tthread:%thread\tUSER:%X{USER}\tX-Track:%X{X-Track}\tlevel:%-5level\tlogger:%-48logger{48}\tmessage:%msg%n]]></pattern>
</encoder>
</appender>
<!-- omitted -->
ログの出力例
date:2013-09-06 23:05:22 thread:tomcat-http--3 USER: X-Track:97988cc077f94f9d9d435f6f76027428 level:DEBUG logger:o.t.g.w.logging.HttpSessionEventLoggingListener message:SESSIONID#D7AD1D42D3E77D61DB64E7C8C65CB488 sessionCreated : org.apache.catalina.session.StandardSessionFacade@e51960
date:2013-09-06 23:05:22 thread:tomcat-http--3 USER:anonymousUser X-Track:97988cc077f94f9d9d435f6f76027428 logger:o.t.gfw.web.logging.TraceLoggingInterceptor message:[START CONTROLLER] HomeController.home(Locale,Model)
date:2013-09-06 23:05:22 thread:tomcat-http--3 USER:anonymousUser X-Track:97988cc077f94f9d9d435f6f76027428 level:INFO logger:c.terasoluna.logging.app.welcome.HomeController message:Welcome home! The client locale is ja.
date:2013-09-06 23:05:22 thread:tomcat-http--3 USER:anonymousUser X-Track:97988cc077f94f9d9d435f6f76027428 logger:o.t.gfw.web.logging.TraceLoggingInterceptor message:[END CONTROLLER ] HomeController.home(Locale,Model)-> view=home, model={serverTime=2013/09/06 23:05:22 JST}
date:2013-09-06 23:05:22 thread:tomcat-http--3 USER:anonymousUser X-Track:97988cc077f94f9d9d435f6f76027428 logger:o.t.gfw.web.logging.TraceLoggingInterceptor message:[HANDLING TIME ] HomeController.home(Locale,Model)-> 36,508,860 ns
Note
UserIdMDCPutFilter
がMDCにputするユーザー情報はSpring SecurityのFilterにより作成される。 前述のようにUserIdMDCPutFilter
をweb.xmlに定義した場合、ユーザーIDがログに出力されるのは Spring Securityの一連の処理が終わった後になる。ユーザー情報が生成された後、すぐにログに出力したい場合は、 web.xmlの定義は削除して、以下のようにSpring SecurityのFilterに組み込む必要がある。spring-security.xmlには以下のような定義を追加する。
<sec:http auto-config="true" use-expressions="true"> <!-- omitted --> <sec:custom-filter ref="userIdMDCPutFilter" after="ANONYMOUS_FILTER"/> <!-- (1) --> <!-- omitted --> </sec:http> <!-- (2) --> <bean id="userIdMDCPutFilter" class="org.terasoluna.gfw.security.web.logging.UserIdMDCPutFilter"> </bean>
項番 説明 (1)Bean定義したUserIdMDCPutFilter
を”ANONYMOUS_FILTER”の後に追加する。(2)UserIdMDCPutFilter
を定義する。blankプロジェクトでは
UserIdMDCPutFilter
をspring-security.xmlに定義している。
5.6.3.2. 共通ライブラリが提供するログ出力関連機能¶
5.6.3.2.1. HttpSessionEventLoggingListener¶
org.terasoluna.fw.web.logging.HttpSessionEventLoggingListener
は、
セッションの生成・破棄・活性・非活性、セッションへの属性の追加・削除のタイミングでdebugログを出力するためのリスナークラスである。
web.xmlに、以下を追加すればよい。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<web-app xmlns="http://java.sun.com/xml/ns/javaee" xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
xsi:schemaLocation="http://java.sun.com/xml/ns/javaee http://java.sun.com/xml/ns/javaee/web-app_3_0.xsd"
version="3.0">
<listener>
<listener-class>org.terasoluna.gfw.web.logging.HttpSessionEventLoggingListener</listener-class>
</listener>
<!-- omitted -->
</web-app>
logback.xmlには、以下のようにorg.terasoluna.gfw.web.logging.HttpSessionEventLoggingListener
を、debugレベルで設定する。
<logger
name="org.terasoluna.gfw.web.logging.HttpSessionEventLoggingListener"> <!-- (1) -->
<level value="debug" />
</logger>
以下のようなデバッグログが出力される。
date:2013-09-06 16:41:33 thread:tomcat-http--3 USER: X-Track:c004ddb56a3642d5bc5f6b5d884e5db2 level:DEBUG logger:o.t.g.w.logging.HttpSessionEventLoggingListener message:SESSIONID#EDC3C240A7A1CCE87146A6BA1321AD0F sessionCreated : org.apache.catalina.session.StandardSessionFacade@f00e0f
@SessionAttribute
など、Sessionを使用してオブジェクトのライフサイクルを管理している場合、
本リスナーを利用して、セッションへ追加した属性が、想定通りに削除されているか確認することを、強く推奨する。
5.6.3.2.2. TraceLoggingInterceptor¶
org.terasoluna.gfw.web.logging.TraceLoggingInterceptor
は、
Controllerの処理開始、終了をログ出力するHandlerInterceptor
である。
終了時にはControllerが返却したView名とModelに追加された属性、およびControllerの処理に要した時間も出力する。
spring-mvc.xmlの<mvc:interceptors>
内に以下のようにTraceLoggingInterceptor
を追加する。
<mvc:interceptors>
<!-- omitted -->
<mvc:interceptor>
<mvc:mapping path="/**" />
<mvc:exclude-mapping path="/resources/**" />
<bean
class="org.terasoluna.gfw.web.logging.TraceLoggingInterceptor">
</bean>
</mvc:interceptor>
<!-- omitted -->
</mvc:interceptors>
warnHandlingNanos
プロパティにナノ秒単位で指定する。閾値を10秒(10 * 1000 * 1000 * 1000 ナノ秒)に変更したい場合は以下のように設定すればよい。
<mvc:interceptors>
<!-- omitted -->
<mvc:interceptor>
<mvc:mapping path="/**" />
<mvc:exclude-mapping path="/resources/**" />
<bean
class="org.terasoluna.gfw.web.logging.TraceLoggingInterceptor">
<property name="warnHandlingNanos" value="#{10 * 1000 * 1000 * 1000}" />
</bean>
</mvc:interceptor>
<!-- omitted -->
</mvc:interceptors>
logback.xmlには、以下のように、org.terasoluna.gfw.web.logging.TraceLoggingInterceptor
をtraceレベルで設定する。
<logger name="org.terasoluna.gfw.web.logging.TraceLoggingInterceptor"> <!-- (1) -->
<level value="trace" />
</logger>
5.6.3.2.3. ExceptionLogger¶
例外発生時のロガーとして、org.terasoluna.gfw.common.exception.ExceptionLogger
が提供されている。
使用方法は、”例外ハンドリング”の”How to use”を参照されたい。